火災時の避難安全には 『2方向避難の原則 』 というものがあります。これは、ひとつの避難ルートが煙などによって使えない場合でも、もうひとつの安全な避難ルートが確保されていることを意味します。
ビルなどについては、この原則に基づいて設計がなされていますが、一般の住宅においても、安全のため2ヶ所から避難できる構造が望まれます。
2階建て住宅の場合であれば、1階の火災によって階段が使えなくなったとき、部屋の窓からバルコニー、玄関ポーチや1階窓のひさしなどを通じて避難できるように、工夫したいものです。
また、マンションなどの火災の場合に、玄関から廊下側へ避難するルートが煙で使えないときが起こり得ます。このようなとき、バルコニーはもうひとつの避難ルートとして位置付けられています。水平連続バルコニー形式の場合、たいてい隣の住戸との間には避難仕切り板といって、いざというときには蹴破るなどして隣へ逃げられるようになっています。
バルコニーは、荷物や棚をおいたりする場所として使われがちですが、火災など危急の避難の時に障害とならないように、また干し布団、石油缶など可燃物が、下の階からの延焼物にならないように、使い方には気を付けましょう。
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